【コラム】総合商社・元人事部採用担当社員が語る就活生への応援メッセージ

ESの書き方

しばもんの友人である澤田さん(仮名)にインタビューして就活時の気をつけるポイントなどをまとめてみました。

澤田さんは現在、総合商社で働く管理職の社員さんで、長年、人事部の採用担当業務にも携わっていました。

そんな澤田さんから皆さんへの応援メッセージになります。

1.「キラキラ学生」はやっぱり就活に有利なの?!

しばもん:「やっぱり学生生活で華やかな実績を挙げている『キラキラ学生』の方が就活には有利なのでしょうか?そのような悩みを持っている就活生の方が非常に多くいらっしゃるようです。」

澤田さん:「一流大学の体育会で活躍、大手企業のインターンシップに参加、海外留学でビジネスレベルの語学力を習得など、誰もがうらやむ華やかな経験を積んでいる学生は確かにいます。そんな輝かしい経歴を持つ『キラキラ学生』たちと面接で一緒のグループになった日には、自分など受かるはずがないと気後れしてしまうのも無理はありません。」

しばもん:「確かにそうですよね…」

澤田さん:「では、入社から何年かして第一線で活躍するのはそんな『キラキラ学生』だけなのでしょうか。もちろん、そんなことは全くありません。」

しばもん:「え、そうなんですか?」

澤田さん:「面接では目立たなかったテニスサークルのAくんも、学生時代はバイトやゼミだけだったBさんも、入社後、学生時代に『キラキラ学生』だった社員よりも活躍しているのを、何度も目にしてきました。」

しばもん:「なるほど。会社で活躍する人は必ずしも「キラキラ学生」というわけではないんですね!」

澤田さん:「仕事の力に本当に差がつくのは社会人になってからです。そのための資質として、面接官は特に以下の観点を見極めようとしています。①自分の考えに固執しすぎることなく周囲の人と協調して物事に取り組めるか(素直さ・協調性)、②何かを成し遂げたり解決したりするために自分から動けるか(責任感・主体性)、③困難な状況におかれてもあきらめずに取り組み続けることが出来るか(忍耐力・ポジティブ思考)。華やかな実績をあげているからと言って、その学生がこれらの資質を持っているとは限りません。これまで自分が経験してきたことを振り返り、しっかり整理した上で、これらの資質にうまく関連付けてアピールしましょう。そうすれば、憧れの会社で活躍できる可能性は十分にあります。」

2.全ては「あなたがどんな人なのか」を知るための質問

しばもん:「就活生の皆さんは、ESの設問や面接での質問で何が聞かれているのか、その意図が分からない場合が多いようです。」

澤田さん:「ガクチカ」の質問はもちろんのこと、「志望動機」や「最近気になるニュース」の質問など、全てはあなたを知るための質問ですあなたが何を考えどう行動したのか、それはなぜなのかを通じて、常にあなたの「人となりを伝える」ことを忘れないでくださいね。」

しばもん:「なるほど、すべての質問は「自分がどんな人間であるのかを伝える」ということに収束するのですね!」

澤田さん:「はい、特に「なぜ」に対する答えは重要です。自分の思いや価値観を伝えるチャンスだからです。例えば、『大学ではなぜ法律を学ぼうと思ったのですか?』と聞かれ、『法律は社会の共通ルールです。社会の仕組みを広く理解して、社会の問題をどう解決していくことが出来るかを学びたいと思いました。』と回答したとします。」

しばもん:「なんだかしっかりした回答のような印象も受けますが…。」

澤田さん:「一見しっかりした答えのようですが、これだけではその人の「人となり」は伝わってきません。一方、以下のような回答はどうでしょうか。『法の下では誰しもが平等であり、法律を学ぶことを通じて論理的思考力を養えると考えたからです。私は小さい頃、仲の良かった友人がクラスのリーダー的存在にからかわれているのを知りながら、すぐに助けることが出来なかった自分を不甲斐なく感じていました。そこで、立場の弱い人間が泣き寝入りすることのない社会を実現するにはどうしたら良いか考えました。相手が誰であろうと言うべきことを言えるようになり、立場の違いを超えて全員が納得出来る解決策を考えられるような人になりたいと思い、法学部を選びました』というものです。」

しばもん:「先程の回答よりもその人の「人となり」が伝わってきますね…!」

澤田さん:「このように、なぜ社会の仕組みを広く理解したいと思ったのか、なぜ社会の問題を解決したいのか、更に深堀りしていくことで、過去の体験と結び付けて自分なりの価値観をアピールすることが出来るようになります。ポイントは、後付けの理由で全く構わないということです。ただ、突然聞かれても普通はうまく答えられないでしょうから、しっかり準備して、自分の取った行動に対して「なぜ」を答えられるようにしておきましょう。」

しばもん:「やはり、事前に考えておくことが大切なんですね。ただ、面接では「そんなこと聞いてどうするの?」と思う突拍子もない質問が飛んでくることもありますよね。準備が出来ない質問にはどのように答えたら良いのでしょうか。」

澤田さん:「面接官の中には、面接が初めてという素人も多く、とりあえず興味を持ったところを聞いてみようというだけの場合もあります。そんな時は、うまく自分のフィールドに持ち込んで、自分の「人となり」を答えたいですね。それは自分の意外な一面をアピールするチャンスとも言えます。」

しばもん:「なるほど、自分のフィールド、得意とする土俵に相手を誘導するんですね!」

澤田さん:「例えば、『100万円あったら何に使いますか?』と聞かれたとします。『将来に備えて貯金し、一部は投資に回して増やそうと思います』という回答は無難ですが、面接官は堅実な性格なのかな、くらいにしか思いません。これではあなたの人となりが伝わらず、もったいないです。」

しばもん:「誰でも答えられそうな回答ではもったいないかもしれないですね。」

例えば、『実は私は海外旅行が好きなので、世界一周旅行に出かけてみたいです」という回答だったり、『高校時代にバンドを組んでいたので、再結成してコンサートを開きたいです」と回答すれば、あなたの新たな一面をアピールすることが出来ますし、そこから旅行の話であったり、バンド活動の話であったりと、自分のフィールドに持ち込むことが出来ます。何でも真正面から回答しなければならないわけではありません。採用面接は、少しでも多く、そして深く自分の人となりや経験を伝える場だと思って臨みましょう。」

3.ポイントは「対人関係構築力」!どのエピソードで勝負するかをよく考えよう!

しばもん:「「ガクチカ」や「自己PR」では、どのような内容を面接官に訴えていくのが良いのでしょうか。」

澤田さん:自分が時間をかけて一番頑張ってきたことが、必ずしも面接官に一番刺さるとは限りません一般的に、一部の研究職や専門職を除けば、面接官が最も知りたい能力は「対人関係構築力」だと思います。周囲とどのように円滑な人間関係を築き、集団の中でどのような役割を果たす人なのか、そのためにあなたが周囲とどのようにコミュニケーションを取っているのかという点です。」

しばもん:「なるほど、面接官は対人関係をどのように構築できるのかを知りたいのですね。」

澤田さん:「例えば、あなたが大学時代に最も力を入れたことが家庭教師のアルバイトだったとします。生徒とどのように向き合い、その結果どのようにして成績を大きく上げられたかを具体的に語れるのであれば良いと思います。しかし、家庭教師は1対1の関係であるため、「対人関係構築力」という観点からはアピールしづらい面があります。資格取得の勉強や、一人で黙々と行う研究活動などは、更に難しいと思います。あなたの学生生活において、もしこれらの活動に最も時間を割いたとしても、「ガクチカ」や「自己PR」のメインエピソードに据えて勝負するかは、よく考えた方が良いでしょう。」

しばもん:「自助努力型のエピソードは多いですよね。それ自体は勿論すばらしいですが、他の設問などでバランスをとるのが重要になりそうですね。」

澤田さん:「はい、そうなんです。もしこれらをメインにする場合、例えば、家庭教師先で親御さんと良好な関係を築くことに尽力した話、資格取得のために勉強仲間で協力し合った話、研究活動を続ける上で教授の理解や協力を得るのに苦労した話など、対人関係という側面を意識してアピールしていくことが望ましいと思います。

しばもん:「確かに、どんな会社でも円滑な対人関係やコミュニケーション能力は必要ですもんね。」

澤田さん:「ほとんどの仕事が、自分一人では成し遂げられません。人から頼られ、そして良い意味で人を頼れることが大切です。大学時代に華やかな実績を挙げた学生が、実はプライドが高くて周囲の協力を得られず、入社してから苦労するといったケースも珍しくありません。面接官の心に響くアピールをするために、どのエピソードで勝負するか、そしてどの側面に焦点を当てて話をするかを、まずはしっかり考えましょう。」

しばもん:「なるほど。エピソード選びはどのように考えたら良いでしょうか。」

澤田さん:「自分の強みは、自分では意外と気づけないものです。特に、対人関係の強みは、第三者の方が客観的によく見えます。まずは自分が周りからどのように見られているのか、そして対人関係やコミュニケーション上の強みや弱みを、出来るだけ多くの友人・知人から指摘してもらいましょう。他己分析を繰り返すことで、段々と自分の第一印象や特性が見えてきます

しばもん:「なるほど、他者の意見を取り入れるのですね。」

澤田さん:「そこからアピールしたい自分の強みを特定してキャッチフレーズにし、その強みを自分らしく発揮できた経験と関連付けてエピソードにまとめましょう。先ほどもお伝えした通り、キャッチフレーズとエピソードは後付けでも構いません。安易なこじつけだと後々突っ込まれてボロが出てしまうかもしれませんが、深堀りしてよく考えておけば、必ず自分でも納得のいく自己PRが出来上がると思います。点と点(これまでのあなたの経験)を、線(自己PRというあなたなりの物語)としてつないでいくのです。線は、言い換えれば話の”引き出し”です。”引き出し”が多ければ多いほど、面としての”あなたの人となり”が、より相手に伝わります。」

4.「自分の言葉」で具体的に描写する

しばもん:「面接ではうまく話せないという学生さんがやはり多いようですね…。」

澤田さん:「面接官のほとんどは、限られた時間の中で人となりを見極めることに関して素人です。そんな相手に短い時間で自分のことを知ってもらうためには、工夫が必要です。取り組んだことと成果を単に並べたり、抽象的に説明したりしたのでは伝わりません。」

しばもん:「確かにそれだけでは伝わりにくいように思います。」

澤田さん:「面接官が、あなたが経験した情景をその場で思い浮かべることが出来るくらい、自分の言葉で具体的に描写しましょう過度に緊張していると、どうしてもぎこちなくなってしまうものです。また、暗記した文章をそのまま話す方もいますが、それでは面接官には伝わりません。自分の話し方の癖を知るためにも、自己PRを動画で撮影し、自分で見返してみると練習になると思います。」

しばもん:「面接官の印象に残るためには、多少”盛って”話した方が良いのでしょうか。」

澤田さん:「無理に背伸びして話すと、面接官にはそれが伝わるものです。ただ何でも正直に語れば良いというものでもありません。何でもないような話でも、そのエピソードのどこに「焦点」を当てるのかそこにあなたなりの思いや感情を乗せて話せているかで、大きく印象は変わってきます。出来れば、数字を盛り込みながら語れると良いですね。」

しばもん:「何か具体的な事例はありますでしょうか。」

澤田さん:「例えば、以前面接した中に、海外旅行が好きな学生がいました。その学生は旅行代を抑えるため、日頃からこつこつマイルを貯め、航空券は貯めたマイルで賄う、いわゆる”陸マイラー”でした。マイル獲得においていかに情報収集が大事で、継続的な努力が必要になるか、そして貯めたマイルにはどれほどの金銭的価値があり、アルバイトの時給に換算すると何時間の労働力に当たるかなどを具体的に、かつ「自分の言葉」で語ってくれました。」

しばもん:「そんな学生さんもいたのですね…!」

澤田さん:「彼は単なる節約術の紹介ではなく、目的に向かって自分が何を考え、どのように行動したのかを、マイルを貯めるというエピソードを通して説明したのです。その後入社した彼と社内で会うと、いつもマイルの話を思い出します。そのくらい、面接官に強い印象を与えることに彼は成功したと言えます。」

5.その他

しばもん:「その他、面接にあたって気を付けおいた方が良いこと、知っておいた方が良いことはありますか。」

①面接日程

澤田さん:「まず、第一志望の会社で、じっくり準備したいからといって面接日を少し後の方にする方がいますが、これは得策ではないと思います。多くの会社では、あらかじめ採用数の枠を設定して選考活動を行っています。人事担当者は少しでも早く枠を埋めたいと考えますので、誤解を恐れずに言えば、面接日程は早い方が、合格率も高くなる傾向にあると思います。」

②ギャップ

澤田さん:「次に、これはメインの自己PRをしっかり固められた方にお伝えしたいのですが、面接官の印象を高める上ではギャップも大事です。体育会で頑張ってきたけれども簿記の資格も取ったとか、ゼミでの勉強に打ち込んできたけれどもバックパッカーとして一人旅にも行ったことがあるなど、意外な一面を見せるのです。面接官は一日何十人もの学生の話を聞き続けていますので、第一印象通りの一面だけでは、埋没してしまいます。特に選考段階が進むほど多面的に見られますので、良い意味で面接官の期待を裏切る、あなた自身のギャップを見せることを意識してみてください。」

③志望動機

澤田さん:「『志望動機をなぜ聞くのか』という質問もしばしば受けます。特に、『入社したら何をやってみたいですか?』という質問は、社会人になってもいないのだから分からないと困っている方も多いと思います。面接官によって質問の意図は異なると思いますが、私の場合は、入社後のミスマッチを防ぐため、分からないなりにも自社の業務内容や働き方について、どれくらいイメージ出来ているかを探るために聞くことがあります。」

しばもん:「なるほど、分からないなりに自分のイメージを伝えることが大切なんですね。」

澤田さん:「例えば、総合商社のビジネス領域は非常に幅広いですが、実際に入社してまず担当するのは特定の商材です。それを何年も泥臭く追いかけ続けることも珍しくありません。したがって、『色々なビジネスに携われると思って商社を志望しました』や、『今海外で流行っている私の好きな○○というブランドを日本に紹介したいです』という回答を聞くと、イメージや憧れで受けており、あまり調べてないのかなと感じます。」

しばもん:「確かに、なんだかありがちな志望動機ですね。」

澤田さん:「おすすめは、OB・OG訪問などで実際に社員から聞いた話の中で特に印象に残った点に触れた上で、『もし私が希望する○○事業部に配属して頂けたら、OB訪問でお話を伺ったXXさんのように、私も常にお客様の立場に立って考え、○○の発展に貢献したいです』といった伝え方をすることです。特定の部署であっても、実際に社員の話を聞き、自社で働くイメージが出来ていることが伝わり、面接官に安心感を与えます。もしOB・OG訪問するチャンスが無かった場合は、セミナーで出会った社員や、場合によっては同業他社の社員でも差し支えありません。」

④逆質問

澤田さん:「面接の最後で『何か質問はありますか?』『最後に何か言い残したことはありますか?』と聞かれることがあると思います。そんな時は、必ず率先して質問や発言をしましょう。ただし、先ほども言いましたように、全ては自分の人となりを伝える場であることを忘れないでください。よく、面接官に対して『仕事でやりがいを感じることは何ですか?』『どのような新入社員と働きたいですか?』と質問する学生がいますが、これはもったいないと思います。」

しばもん:「そうなんですね。どのような質問がよろしいのでしょうか。」

澤田さん:「面接は、学生にとっても会社選びの貴重な場であることは確かですが、会社や社員について知りたいことがあれば、面接の前に、あの手この手を尽くして調べておきたいところです。面接の場で聞くのであれば、例えば『私は人と話すのが好きで、海外旅行でも地元の方に声を掛けるようにしているのですが、海外の方たちと仕事をする上で、信頼関係を築く秘訣は何だとお考えでしょうか』といった具合に、それとなく自分の人となりも伝えるように心がけましょう。」

しばもん:「なるほど。逆質問すらも自己PRに収束させるのですね!」

澤田さん:「『ピークエンドの法則』で知られるように、人は何かを判断する際、ピーク(最も感情が高ぶった瞬間)とエンド(最後の印象)の影響を大きく受けると言われています。最後のアピールは、まさに「エンド」に当たります。面接官から理由を聞かれたり、突っ込みが入ったりすることもおそらくありませんので、是非大事にして頂きたいと思います。」

しばもん:「澤田さん、今日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。」

澤田さん:「はい、みなさんの就活がうまくいきますように応援しております!」

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<しばもんプロフィール>
東京在住。就活時は大企業から内定多数獲得。
指導学生の内定実績:講談社・電通・JR西・UFJ・外務省・ソニー・コマツ他

<ツイッターで就活の有益情報つぶやき中>
https://twitter.com/es_shibamon

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