こんにちは、しばもん です。
この記事を読むメリット
1:就活する上での全体像を把握できる。
2:ガクチカ、自己PR、志望動機を書かせる企業側の意図が理解できる。
3:これからの心構え・対策法がわかる。
なぜ、就活生はガクチカ、自己PR、志望動機を書かされるのでしょうか。
企業視点で考えてみました。
就活を例えると?
人によって考え方は様々だと思いますが、私は「就活」とは、「数学」風に言えば、次の「証明問題」に「完全回答」することだと捉えています。
問題Ⅰ:次の各設問に答えなさい。
(1)あなたにはどのような「will」および「can」があるのかそれぞれ一言で答えなさい。
(2)あなたにその「can」があることを400字以内で証明しなさい。(ガクチカ)
(3)その「can」には「再現性」があることを400字以内で証明しなさい。(自己PR)
問題Ⅱ:「弊社があなたを採用するメリット」を400字以内で証明しなさい。(志望動機)
皆さんならこの証明問題、どのように証明しますか?
私は就活生当時、就活(ESや面接)というものを、企業から「証明問題」が課されていると捉えて取り組んでいました。
就活と数学は違うかもしれませんが、個人的には証明する「方法」自体は類似していると思います。
証明する対象が、図形や数式から「あなた自身」に変わったというイメージです。
例えば、ある2つの三角形が合同であることを証明したければ、3つの合同条件(①3組の辺がそれぞれ等しい/②2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい/③1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい)のうちどれか1つが成り立つことを示す必要があります。
就活において言えば、次の3つの条件が「すべて」成立する時、企業はあなたを採用するメリットおよび妥当性が感じられ、企業から出題された証明問題に完答できることになると考えられます。
企業があなたを採用するメリット3条件
では、その条件とは何でしょうか。私は当時、最低でも次の3つの条件を満たす必要があると考えました。
<採用するメリット3条件>
(ⅰ)貴社の「want」と自身の「will」が一致している。
(ⅱ)貴社の「want」と自身の「can」が一致している。
(ⅲ)自身の「can」には「再現性」がある。
この3つの条件がすべて成立することを示せば、企業はあなたを採用するメリットが感じられると思います。
しかし、この3つの条件が成立することを証明する前に、いくつか前提となる小問に回答しなければなりません。
入試問題の数学では、だいたい問題の(1)(2)などで証明の前提となる小さな問題に回答し、その次の問題で大きな「証明問題」に回答する場合が多いように思います。
ESも同じような構成だと思います。
まずは、ガクチカという設問でどのような「can」(=強み)を身につけたのかが問われます。
その際、あなたがその「can」を有することを論理的に証明する必要があります。
「can」があることを証明する方法は様々ですが、その1つには「プロセス性を説明する」という方法が挙げられます。
例えば、
- ①どのような目標を設定したのか(目標設定)
- ②目標に対して現状はどうであったのか(現状把握)
- ③目標と現状の乖離はどのようなものであったのか(問題の明確化)
- ④その問題が生じる原因は何であったのか(原因分析)
- ⑤その原因を根本的に解消する取り組み事項は何か(解決策の立案)
- ⑥その取り組みを仲間と協力しつつどのように実行したのか(解決策の実行)
- ⑦取り組みの結果はどうであったのか(成果)
- ⑧一連の経験から身につけた力(強みの証明)
というプロセスを示す方法です。
このように順序立てて記述することで、一連の経験の中であなたの「思考および行動プロセス」が提示され、その過程を経ることであなたにその「can」があることが論理的に導き出されます。
あなたの強みの再現性の証明
続いて、その「can」には「再現性がある」ことを証明します。
「can」に再現性があることを示すための条件は、「その強みが複数の異なる場面において、同様に発揮されたこと」を示すことになります。
1つの事象にだけ観察される特徴というのは一般性が低いです。
複数(最低でも2つ)のエピソードにおいて、同一の強みが発揮されたことを示せれば、その強みに再現性があることを帰納的に証明することができます。
このように、まずはあなた自身にその「can」があることと、その「can」には再現性があるという前提を問題Ⅰの小問で証明しておく必要があります。
この前提を用いて、問題Ⅱではいよいよ「企業があなたを採用するメリット」という大問の証明になります。
「証明問題の解答例」風に書くと、次のような記述になると思います。
・私には上記の問題1(1)で明記した「will」がある。この「will」を持つようになったのは、Aという経験に起因する。
・この「will」を実現するには、複数の方法が想定されるが、中でも貴社はBという事業でCを行っており、自身の成し遂げたい「will」を実現できるフィールドがあると考えられる。
・ここで、貴社の「want」の1つ目が「貴社の事業分野において利益が得られることである」と仮定すると、私の「will」が実現されることによって、貴社にはDという利益が生じる。
・このことから、貴社の「want」と自身の「will」は一致していると言える。―①
・一方、インターンシップに参加した経験やOB訪問で得られた見聞、および企業説明会で得られた情報、昨今の貴社の業界の動向に基づくと、自身の「will」を実現する上では、貴社はEという問題を抱えていると予想される。
・このように、貴社にEという問題があると仮定すると、その解決にはFという力が不可欠であると想定される。
・ここで、貴社の「want」の2つ目が「企業の抱える問題を解決してくれる力(を持つ人材)」であると仮定すると、上記のEという問題を解決するFという力には、問題1(2)で身につけた自身の「can」が活かせると考えられるため、貴社の「want」と自身の「can」が一致していると言える。―②
・さらに、自身の強みである「can」は、上記の問題1(3)で証明した通り、「再現性」があることから、将来的に入社後の貴社の事業・業務においても繰り返し発揮されることが見込める。―③
・以上の①~③を換言すると、次のようになる。
・自身の「will」が実現されることにより、貴社の「want」の1つが達成される。―条件(ⅰ)の成立:貴社の「want」と自身の「will」の一致
・その実現の途中で想定される問題の解決には自身の「can」が活かされることから、貴社の「want」がもう一つ達成されることになる。―条件(ⅱ)の成立:貴社の「want」と自身の「can」の一致
・自身の「can」には入社後の再現性が見込まれることから、貴社の「want」が達成される可能性は十分に高いと判断できる。―条件(ⅲ)の成立:自身の「can」の再現性
・よって、採用メリットの3条件が成立することから、貴社は自身を採用するメリットがある。(証明終了)
実際のESや面接では「証明問題の解答」風に答えることはしませんが、このようにロジカルに自分自身をアピールできると良いですね。
入試の数学の問題では、小問(1)高校1年生の習う範囲で解答でき、(2)は高2で習う範囲で解答でき、(3)は3年生で習う範囲で解答できるという構成がありますよね。
ESも同じで、ガクチカや自己PRの設問で、「どんな活動を頑張り、そこから身につけた力が他の活動でも発揮され、その強みに再現性がある」こと(=最後の証明問題に必要な前提の証明問題)は大学1・2年生の範囲で既に解答できるものだと思います。
つまり、受験の数学では高校1・2年の基礎の積み重ねが重要であるのと同様に、大学1・2年でしっかりガクチカ・自己PRの設問を意識して日々活動しておくことが大事なのです。
大学3年生になり、就活が本格化し、インターンシップに参加したり、OB訪問をしたり、業界研究や企業研究をしたりする中で、最後の証明問題である「弊社があなたを採用するメリット」に回答できるようになってくるのです。
言語化能力の必要性
就活(ES)で述べることは、大学1~3年生までの経験および知見の「総合的な言語化」です。
最後の証明問題(「 弊社があなたを採用するメリット 」)に回答するには、大学1・2年次からの積み重ねによる総合的な記述が必要になるので、しっかり準備しておけると良いですね。
最低でもできる準備としては、日々の経験をしっかりツイートでつぶやいておくことです。
「何を目標に取り組んでいるのか」
「その目標に対して何に行き詰っているのか」
「なぜ行き詰っているのか」
「どうやったら解決できそうか」
「実際どのような行動をとったのか」
「結果はどうなったのか」
「そこから何ができるようになったのか」をつぶやいておきましょう。
言語化の訓練になります。
次のステップは、もう少し具体的にESを書く準備、面接を受ける心構えを知ることをおすすめします。
こちらの記事に書いておりますので、参考にしてください。
→就活でESや面接を通して伝えるべきコト
コメント